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No.9 テンションの覚え方教えます

 ポピュラーギターを極めよう,もっと色彩豊かなコードを使ってみようと思った時に,越えなければいけないのがテンションという不協和音の修得だ。9thとか11th,13thと呼ばれる音が,いったい何を指しているのか,即座に分からない。数えるのに時間がかかるという人も多いだろう(私も昔はそうだったし今も使用頻度の低いコードでは,答えを出すのにレイテンシーがかかる(^^;)。今回はそういう悩める学習者の皆さんに,楽器を持っていなくてもテンションを言い当てる良い練習方法を紹介しよう。
 

 
 
 まず,準備運動として,皆さんは音階の「ドレミファソラシド」はよどみなく唱える(となえる)ことができるだろう。

 

 
 では次の譜例の「ドミソ,レファラ,ミソシ,ファラド,ソシレ,ラドミ,シレファ」という3和音になったらどうだろうか。

 

 初心者の人はここで,すらすらっと唱えられなくなってしまう人が多い。3和音は基本中の基本なので,それこそいくらでも高速に唱えられるようにしておこう。  これが出来たら,いよいよ4和音に挑戦する。4つめということは,メジャー7thかマイナー7thが加わることになる。楽譜で示すと以下の譜例のような名前になる。さあ,あなたはどうだろうか。「ドミソシ,レファラド,ミソシレ,ファラドミ....」と淀みなく唱えることができるだろうか。出来ない人はしっかり練習しよう。

 
 

 
 

 これが出来たら,いよいよ一気に7つに増やす。次の譜例のように「ドミソシレファラ,レファラドミソシ,ミソシレファラド,ファラドミソシレ,ソシレファラドミ,ラドミソシレファ,シレファラドミソ」と唱える。

  

 この時,ちょっとしたコツがある。7つを一気に唱えようとしないで,4つと3つに区切って意識するといい。4つまではスラスラ唱えられるわけだから,それに3つ加えればいいだけだ。そしてその3つとは,実は順番通りの次の3和音なのだ。「ドミソシレファラ」の最後3つは「レファラ」だ。それは取りも直さず次のDmの構成音そのままである。そう思えば,最後に付け足す3つはセットとして乗っけやすいだろう。テンションの構成は次の譜例のようになっており,7thの次に9th,11th,最後に13thが来る。つまり唱え終わった最後の音が13thということになる。最後から2番目は11thだ。

  
 

 
 

 また,こう考えてもいい。「9th,11th,13thは,2(ニー),4(ヨン),6(ロク)!」。つまり9thがすぐに分からないのであれば,2度を探す。2度というのは主音の一つ上だからすぐに見つかるだろう。11thがすぐに分からないのであれば4度を探す。4度はギターでいうと同じフレットの次の細い弦のポジションの音に相当する(3弦と2弦の関係だけは他と異なるので気を付けよう)。13thが分からないのであれば6度の音を探す。6度は3弦のあるフレットと同じフレットの1弦の音だ。もしくは4弦のあるフレットと同じフレットの2弦の音だ。この6度探しも,2弦と3弦の間隔を含まないもの,たとえば5弦と3弦,6弦と4弦で計ると正しい6度にならないので気を付けよう。

 

 このように実際にギターの指盤を使っての学習と,ギターを持っていなくても空で唱えられるかどうかの練習で,相当テンションは身近に感じてくるはずだ。

(2004年10月4日)